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『王家』
『姫様』
このふたつの単語で、アリアと呼ばれるこの少女が、どんな人物か、分かってしまうだろう。
まあ、そのままなのだが。
決して大きくはないが、自然と人が共に生きているような、平和なこの国、シーフォ王国。
そんな国の姫、王女であるのが、先ほどの少女、アリア・シーフォ、15歳。
あと一週間で16歳になるが。
そして、そのアリアを宥めていた男が、リュール・ミセル、26歳。
一週間前26歳になったばかりだ。
そして、
「リュール、いえリル!!
王家のしきたりなんて、
どうしてこの世に存在するの!!」
「それは何度も説明しましたよね?
あの長い説明をもう一度しろと?
それと、リルはやめてくださいと
そう前にも言ったはずですが。」
アリアの執事であり、世話役であり、また、危なっかしいことをしないようにとアリアを見張っているのもこの男の役目。
リルと呼ばれるのが嫌いな、この男、リュール。
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