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「でさー、そこで夜月が入って来たワケよ」
「……」
「聞いてるー?」
「うるさい」
顔も合わせずに、ベッドに寝転んだままの玖条はそう言った。
既に顔見知りの域を脱している光鶴さんは俺を見るなり快く迎えてくれた。
玖条家にサラッと入ってしまって気後れしたが、すぐさまペースを取り戻して、玖条光来の部屋に乗り込み一方的に話し掛けているワケだ。
「えー?」
「うるさい」
前に比べると玖条は確かな反応をしてくれるようになった。
さっきから本のページが捲られていないのも話を聞いてくれている証拠でいいよね。
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