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俺と玖条の放課後の密会(?)も、放課後の奇妙な集会にも慣れ、もはやすっかりと日常生活の一部と化してしまった今日この頃。
梅雨に入った。
ジメジメして鬱陶しく、何もかもが面倒になる――のが、普通の意見だと思う。
俺はこの時期になるとワクワクする。
雨が地面を叩く音が、まるで話し掛けているようで。
ざぁざぁという音が、まるで雨の声のようで。
俺は雨と戯れることが出来る六月が好きだ。
「今日は真剣に雨がヤバいな」
「どーせモヤシの夜月は傘さしてトボトボ帰るん痛い!? ちょ、目がマジだぞ!?」
「お前は今、言ってはならない言葉を口にした」
「もやし」
「ふっ!」
上半身にひねりを加え、肩の入った渾身の右ストレートが俺の胸部を襲った。
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