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「ってゆー風に脅されたんだよ。あいつ次は泣かせてやる」
今日の玖条はいつかの如くベッドを背もたれに、見たことも見る気もない分厚い本をハラハラと捲っている。
彼女に話し掛けるためなら、夜月だろうと誰だろうとネタにしてやる。
「知らない」
こんな反応だけど構うもんか。
そういえば、珍しいコトに今日俺が玖条家に着くと、入れ違い気味に光鶴さんが買い物に出掛けるという事態が。
つまり、今、俺は玖条光来と二人きりで留守番をしているような状況だった。
この少し無機質な部屋も、本当に二人きりだと意識すると居づらいと言うか、玖条の匂いというか目のやり場の困ると言うか。
とにかく、もうドキドキのバクバクだと伝えよう。
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