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俺は今、どんな顔をしているだろうか。
少なくとも、好意的なそれじゃないのは自分でも分かる。
「おい、誰だと訊いているんだ」
瞼がヒクつくぐらいにおもいっきり睨みつけ、一言だけ、しっかりと言い放つ。
「……"光来"の友達だよ」
俺がそう言った瞬間、男は俺を見たくもないと言った風に顔をそむけた。
「そうか。出ていけ」
「あん?」
「出ていけと言ったんだ」
「理由は?」
「私が父親だからだ」
やけに強調した口調で言いやがった。
「理由になってませんよ」
俺は少しずつ移動して、"光来"を背中に庇うような体勢になった。
「……そいつの将来についてだ」
俺の中で所謂堪忍袋のなんとやらがぶち切れた。
「おい、お前今自分の娘になんつった?」
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