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「何だと……?」
絶対的な威圧感。
それでも、頭に血が上った俺は止まらない。
「てめぇの娘になんつったって訊いてンだよッ!」
激情。
憤怒。
その他諸々。
混ざって、纏めて、吐き捨てる。
「あんたが誰かなんて知らねぇがな、自分の娘をンな蔑んだ目で見てる奴が将来どうのこうの言う資格なんざねぇだろッ!」
我慢の限界。
我慢なんて、最初から出来てないけど。
「何を知ったような口を」
「少なくとも!」
これで、とりあえず。
俺の言いたいことは全部。
「あんたが"光来"を壊したコトぐらいはわかってんよッ!」
「どこの誰だか知らんがな、歳上には敬意を払った方が身のためだぞ」
俺の言葉なんて、全部聞き流していたかのような態度。
「帰れ、小僧」
それでいて、さっきよりも明確な拒絶。
「ふざけ――」
ぐいっ、と。
"後ろに引っ張られた"。
"光来が、俺の手を引いていた"。
「――"帰って"」
なんでだよ。
飛び出しそうになった言葉を、なんとか飲み込んだ。
お前に言われたら。
そうするしかねぇじゃん。
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