Call your name

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「羨ましいよ、なんか」 そう言って役員さんは、何かを見ようとする目付きで、俺を見ていた。 「は、はぁ……」 「俺はお前みたいに、そんなに熱くなれないよ」 「……んぁ」 なんだ、何の話だ。 高校に入ってからは大人しくして問題は起こさなかった筈だ。 筈だって言うかさすがの俺でも問題ない事ぐらいわかる。 「玖条光来だっけ、頑張れよ」 「――あ?」 待て待て待て待て。 え、何なにナニ、神楽坂先輩は、話したのか、"玖条"の事を、この役員さんに? いや、問題はないんだろうけど、じゃなくて、あるんだけど、待って、なんで―― ふと役員さんを見ると、もうその後ろ姿は階段を上り始めていた。 俺は、ただ何も考えられずに立ち尽くして。 「……行くか」 いつもよりも不安な気持ちで、足を動かした。
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