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｢ったく、こーゆーとこにこそ歩道橋を作れって思わない？｣
中々に重たい買物袋を握る手に意識を集中させないように愚痴りながら、背中に背負ったままの婆ちゃんに話し掛ける。
｢本当にねぇ。大丈夫かい？｣
俺のことを気遣って心配そうな声を出す婆ちゃんだが、俺にはそんな心配などいらないのだ。
｢大丈夫、っと！｣
そうこうしている内に横断歩道を渡り切り、買物袋と婆ちゃんを下ろす。
｢おやおや、ありがとうねぇ｣
｢気にすんな婆ちゃん！ 困ったときはお互い様、だろ？｣
俺はさながらフルマラソン完走直後の選手の様に精一杯の笑顔で親指を立てて婆ちゃんに応える。
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