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6月の雨の日だった。
窓から、外をみていたら、まるで、空が私の変わりに泣いているように、想えた。
私は、母に愛されていたのだろうか?
そんなことを想いながら、私も涙を流した。
6月は、母の誕生日だ。
花でも、買いに行こうかと思っていたら、
ピンポンと音がした。
彼だ。私は、直感で感じた。
涙を拭い、はーい。と返事をして、ドアを開けた。
びしょ濡れで、彼が立っていた。
「しぐれちゃん。」
「どうしたの?こんなに濡れて。」
「しぐれちゃんが、泣いてる気がしたから。」
私は、思わず泣いた。
「もう、えいちゃんは…いつも、そうなんだから…。」
「はい。」と言って、花束を英太郎は時雨に渡した。
「えっ?」と私は、驚いた。
「なんで…」
「なんとなく…」英太郎は答えた。
私は、英太郎の胸に抱きついた。
「お母さんに会いたい。」
「うん。」
「お母さんに会いたいよ。」
「うん。」
英太郎に頭を撫でられ、私は泣きじゃくった。
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