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「ふざけるな。こっちはあんときの交通事故の情報を握られてるんだよ。人形の眼をどこにやりやがった!」
倉木が三ツ木の胸倉を掴み、怒鳴り付けた。
影が仕掛けた盗聴器に雑音が混じる。
盗聴器は、鞄の中だ。万が一影の存在に警察が気付いても問題は無い。
影は、捕まることを恐れていなかった。
寧ろ、全てを公に叫びたい気持ちであった。
しかし、影の力だけでは彼等を捕まえることは愚か、警察に引き渡すことも困難であった。
だからこそ、今回の一計を案じたのだ。
影が覗いている望遠鏡には、三ツ木が抵抗する姿が見えていた。
「どういうこだよ。倉木さん。その依頼者って? 僕らが起こした事故のことを知ってるっていうのか?」
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