一章

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二千十一年二月。 車が、軽快なエンジン音を響かせる。 車は、三ツ木博信の住んでいたアパートへと向かっていた。 三ツ木は、先日何者かに殺害された。 運転席の赤石圭吾は、その調査に出向いたのだ。 助手席には同僚の結城イサコが座る。 車中で二人は、二千十年十月に携わった摘発事件の話をしていた。 三ツ木が関係していたと思われる組織『水鳥』のことだ。 「昨年でしたね」 サコが言った。 「そうそう。俺は、横溝ビルを見張っていたんだ」 その時、二人は警視庁特別捜査班に配属されていた。
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