一章

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イサコと赤石は、コンビを組んで四年になる。イサコが県警に来る前からの知り合いなのだ。 イサコの実家は、山村ホテルを経営していた。歴史としては古く、結婚式場が組み込まれている。イサコは、所謂、老舗の次女であった。姉が女将を勤めているという。 彼女は、警視庁の寮に入らずにホテルの一室を貸し切って生活している。 刑事の自宅出勤も珍い。警察官は、寮に入るのが基本だ。女性だからこその処置であると言うが赤石としては羨ましいことであった。 赤石は寮で暮らしている。事件があった時に集まり易くするためだった。 イサコは、コネでもあったのではと誰もが思ったが彼女は違うと否定した。 彼女は、子供のころから刑事になることが夢だったそうだ。
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