一章
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イサコが、引き出しから通帳を見つけて取り出した。 「見付かった名刺には、部品の中継ぎ業者と書いてあったな。確か、株式会社柏木」 「うわ、三千円って。いくらなんでも生活できないですね。これじゃ」 イサコが、通帳を眺めて悩むように答える。 赤石も通帳に眼を通す。 「俺なら一日で使い切る」 「一日の食費ですか?」 「いや、呑み代」 赤石は、答える。
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