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影が用意した人形の瞳に使用されている宝石を狙う連中だ。
しかし、影は宝石を渡すつもりはなかった。欲の為ではなく、心情が許さなかったのだ。
彼等は様々な罪を犯し、それでものうのうと生きている奴らだ。警察に突き出して罪を償わせなければならない。影は、望遠鏡で柏木ビルを眺め続けた。
影の指定した時間が、刻々と近付く。
望遠鏡に男が映る。先に来た男は三ツ木であった。三ツ木は、柏木ビルの屋上に駆け込んできて、真っ先に鞄に近寄った。
三ツ木に少し遅れ、別の男が入って来る。
三ツ木と一緒に呼んだ倉木だ。
鞄を持ち上げた三ツ木と遅れて屋上にたどり着いた倉木が対峙する。
影は、その様子を望遠鏡で眺める。
梅雨時の湿った風が雨雲を誘う。
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