一章

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何れ、解雇になるはずであったと、上司は語る。 「三ツ木は、結構な不真面目さんですね。出された給料も人形に注ぎ込んでたようですし」 イサコが、メモを纏める。ぼやく彼女のその表情が呆れていた。 「不真面目なくせに、人形陳列は異常な程綺麗だった。恐ろしいと俺は思う」 「コレクターの習性では無いでしょうか?」 「整理整頓が?」 「それだけ大事にしていると言うことではないでしょうか?」 収集家には、二通りある。
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