十章

22/24
前へ
/465ページ
次へ
助手席に座るイサコが、携帯を開け閉めして、呟いた。 「北野警部補の銃の腕前を尊敬するよ」 ハンドルを切り、赤石は笑う。 「北野警部補は、暇さえあれば、ゲーセンで撃ってるらしいですよ。アーケードで、たまに見掛けて驚くって南署の巡査が言ってました」 「なるほど。桃磨はそれで、あんな計画を思いついたのか」 「ええ。あの後、真島さんの実家を訪れました。そこで、彼女の家族に会うことができました。有栖川由紀さんが、香苗さんと親しくなったのは、香苗さんの旦那さんが亡くなってからだと言うことです。それで、桃磨君が仮説を導きました。宝石は、香苗さんから由紀さんに渡ったのではないかと」
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加