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助手席に座るイサコが、携帯を開け閉めして、呟いた。
「北野警部補の銃の腕前を尊敬するよ」
ハンドルを切り、赤石は笑う。
「北野警部補は、暇さえあれば、ゲーセンで撃ってるらしいですよ。アーケードで、たまに見掛けて驚くって南署の巡査が言ってました」
「なるほど。桃磨はそれで、あんな計画を思いついたのか」
「ええ。あの後、真島さんの実家を訪れました。そこで、彼女の家族に会うことができました。有栖川由紀さんが、香苗さんと親しくなったのは、香苗さんの旦那さんが亡くなってからだと言うことです。それで、桃磨君が仮説を導きました。宝石は、香苗さんから由紀さんに渡ったのではないかと」
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