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髪は金色、服は喪服だ。少女を象(かたど)った人形の両目が刳り抜いてある。
開いた鞄から人形が落ちた。
「宝石をどこに隠した?」
倉木が、素手で人形を掴む。
柄シャツから剥き出している太い右腕に、龍の入れ墨が見える。
影が潜む隣のビルから二人の様子は良く見える。
取引現場を柏木ビルに指定したのはそのためであった。
事前に取引情報を警察に流しておいた。
警察が来れば、二人は世間に顔を知られることになる。
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