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私は黙ってそれを見守ることしかできなかった。 お母さんが泣いているのを見たのは、これで二回目だ。 最初はお父さんが事故で死んでしまったときだった。 私はお母さんの前では、もうこの話はしないことに決めた。 私が男になったときの記憶も、自殺しようと思った記憶を失くしたことも、本当は気になって仕方ないし、何も解決していないけど、今このときだけは明るく振舞った。
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