家族紹介 続

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あの時オカマから逃げていたら、冷たい雨の中で置き去りにされていたまま、または飢えて死んでいたのかもしれない。 いや、生きていなかった、ていうのが必然的なんだけど。 だから、俺はあのオカマに感謝しなきゃいけない。 だけど、今は感謝する気にならない。 思春期の俺がそんなことできるかよ、ばぁか。 ま、だけど… 「かい兄ちゃぁん、先に行ってるよ~」 「おい、待てよ、夏鈴!」 「早くしないと遅刻しちゃうぞぉ?」 「うるせぇアニオタ」 「何ですって!?否定はしないけど!」 「女襲ってねぇで早く帰ってこいよ」 「襲わねぇよ!俺はおっさんと違うっての」 「はやくはやくぅ~」 「夏鈴、お願いだからあと30秒だけ!」 「うさぎハンカチも忘れないでねん」 「持ってくかぁ!いい加減にしろ、このオカマ!!💢💢」 「ひどぉい!ママに向かってオカマですってぇ、春香ちゃぁぁん」 「あーはいはい、元気出そうね」 「行ってきます!」 「行ってきな、シャバ小僧」 「とっとと帰ってこいよリア充!」 「海瑠くぅん、早く帰ってきてねぇん」 「キモいからやめろ」 「かい兄ちゃん?」 「今行く!」 とりあえず、今は普通の幸せがある。 それで十分だし。 続く。
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