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桜が咲き誇る中一人の少年が馬鹿でかいアーチの門を見上げた。
「此処がベルリット魔術学園か。デカすぎだろ、この門。」
少年は、呆れたように息を吐きその門をくぐって行った。
少年の名はレオ・ジークバル。
金髪に青い瞳の…ヘタ、いや美少年だった。
10分後。
「マジ迷子になるっての」
レオは、地図を見ながら進んでいくのだが、本人は無自覚の超方向音痴だった。
はっきり言えば、入学式の会場である大体育館とは真逆の位置にいるのだ。
言っている側から立派な迷子だ。
更に、十五分後。
現在位置不明。
完璧迷子。
「マジ、迷子になったのか?」
レオが周りを見ると、森の中。
「…ヤバクね?」
今頃自覚したんですか。超方向音痴よ。何故地図を見て進ん出るのに迷子になるんだ方向音痴よ。
「あっれれぇ!?一年生しゃんどーして此処にいりゅの?」
小さい子供の声がして辺りをみるが誰も居ない。
「上だょ~!」
上を見上げようとした瞬間に、何かが落ちてきた。
ドガン!!
レオの上に落ちて来た。
「いでででで…」
背中が痛むが落ちてきた物体を見る。
「………」
黒のバンダナを頭に巻いた紫の髪の少年。制服はこの学園の。リュックはクマさん柄。
少々微妙だがまだいい。
身長が低すぎる事を除けば。
身長が152センチのレオよりも低い。…小学生にしか見えないが、ネクタイの色は緑。二年生。
「ねぇ、一年生しゃん。迷子ぉ?」
小首を傾げ聞いてくる二年生。
「ええ…。はい」
「じゃあ、僕が会場まで送ってあげりゅ!!」
そう言った瞬間、二年生は無言詠唱で転移魔法を発動させた。
が、この二年生会場の何処に転移するかは適当だった。
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