怒涛の九偽多医戒。

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「では、やりたい球技を班ごとに発表してください。」 「私たちの班はバレーボールです!」 「そこはやっぱバスケだろ?」 教室中がワイワイと賑わう。今回のレクはボールを使うものだそうだ。 よくやる気がでるもんだ。 こないだ体育大会が終わったばかりなのに、なぜ楽しそうにできるのか、 クラスの連中が不思議で仕方ない。 隣の席で頬杖をつく鉄もなんだか不機嫌だ。 「なぁ、あそこに書いてあるドッジボールってなんやねん?」 「はぁ?!お前…ドッジボール知らねぇの?!」 「俺集団で遊ぶのとか嫌がられたしな。知らんねん。」 そうか…。ずっと不良と勘違いされてたしな…。 かわいそうな事聞いたな。 なるべく触れない様にしていた事に触れてしまった。 何か明るい話題を探す俺。 …そういやこいつ、関西人だよな? 「ドッジボールは、女も子供も関係なく全員でボールを全力でぶつけ合う遊びだ。」 こい!!!! 俺の渾身のボケだ!!!! 思い切りツッコんでこい!!!! 「マジか?!めっちゃ楽しそうやん!」 完全に信じこんだぁー。 もはやノリツッコミですらねぇ。 「え、八城。ガチなの?」 「おう、こうなったら猛特訓やな!頑張ろうや!」 …………。
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