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関西最強の男。
ある青年はその日、朝から人々に注がれる視線にうんざりしていた。
派手なパーカーの上に学ラン。腰まで下げたズボンのスソは地面と擦れて白く変色している。
靴はゴツゴツとした大きめのハイカット。
極めつけはほぼ赤の茶色アッシュの髪をワックスでガチガチに固めている頭。
一際目立つその容姿に振り向かない者はいなかった。
肩にかけてあるスポーツバッグには金の刺繍で大きく
《八城 銀司》
とかかれていた。
歩き慣れてない東京の街を一つの場所を目指して風をきってあるく。
派手な青年が瞳の先に捕らえていたのは、
【私立黒帝高校】
と書かれている落書きだらけの校舎だった。
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