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「昔さあ、記憶喪失になったとかない?」
「ううん」
私は大きく首を横に振った。
「じゃあ、宇宙人にさらわれたことは?」
「ううん」
私はさらに首を大きく横に振った。
それには、質問した桜田門君自身、おなかを抱えて笑い出した。
その顔は、ただの少年のようだった。
なんだ、こうやって見ると案外かわいいじゃない。
女子生徒たちにモテるっていうのもわかる気がするよ。
「宇宙人いるって信じてんの?」
はぁ?もう、こんな奴知らない。
私は桜田門君を無視して、さっさと部屋の戸締りを始めた。
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