遺言

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その日の夜、家で家族と食事をしていると、突然電話がなった。 母が電話に出る。 「もしもし、今井でございます」 すると、なにやら会話した後、「妃奈子、弁護士の先生からですって」と、私にかわるよう言った。 「えっ、弁護士?」 私、弁護士に知り合いなんていないし、お世話になるようなことしていませんけど・・・。 「もしもし、かわりました」 「夜分にすみません。私、桜田門家の顧問弁護士をしております、一ッ橋と申します」 「はあ・・・」 「この度、亀吉氏がお亡くなりになられまして・・・」 じいちゃんの弁護士さんが私に何の用? ちらっと食卓に目をやると、二人は素知らぬ顔で、夕食を食べている。 もう、二人とも、電話のこと気になんないの?
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