遺言

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「それでですね、今日お電話差し上げたのは、亀吉氏の遺言の件についてでございまして・・・」 ふーーーん、遺言かぁ。 さすがにあれだけの資産家だもん、そうれくらいして当たり前よね。 だって、骨肉の遺産争いとか起きたりしたら大変だもん。 「で、その遺言状の開封に際しまして、是非妃奈子様にもご出席いただくよう、亀吉氏の生前のご意向がございまして・・・」 えっ?なんで赤の他人の私が、そんな大事な席に出席しないといけないの? 「はぁ・・・でも・・・」 「どうか亀吉氏のお気持ち、汲み取っていただけないでしょうか」 うーーーん、そこまでお願いされて、お断りする理由もないし・・・。 それに、亀吉じいちゃんには多大なる恩もあるし。 「わかりました。出席させていただきます」 「ありがとうございます。では、日程等ですが・・・」 一ツ橋弁護士は詳細を伝えると電話をきった。
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