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「なんだったの?」
母が聞いてきた。
なんだ、結構気にしてくれてたんだ。
「なんかね、亀吉じいちゃんの遺言状があるんだって」
「まあ、あの桜田門家のご当主様だもんな」
父も私よりじいちゃんのことには詳しそう。
「で、その遺言状を開封する席に立ち会ってくださいだって」
「へー、妃奈子が?」
「うん。じいちゃんのたっての願いなんだって」
父と母が顔を見合わせる。
無理もない、私だって同じ気持ちなんだから。
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