遺言

8/71

2462人が本棚に入れています
本棚に追加
/390ページ
「なんだったの?」 母が聞いてきた。 なんだ、結構気にしてくれてたんだ。 「なんかね、亀吉じいちゃんの遺言状があるんだって」 「まあ、あの桜田門家のご当主様だもんな」 父も私よりじいちゃんのことには詳しそう。 「で、その遺言状を開封する席に立ち会ってくださいだって」 「へー、妃奈子が?」 「うん。じいちゃんのたっての願いなんだって」 父と母が顔を見合わせる。 無理もない、私だって同じ気持ちなんだから。
/390ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2462人が本棚に入れています
本棚に追加