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仕事を終え、私は帰宅途中。
最近すごく疲れる。
きっと桜田門君に振り回されているせいだわ。
最悪よね。
今日は今日で、桜田門家に行かないといけないし。
学校でも、それ以外でも顔を合わさなくちゃいけないなんて、すっごく気分が滅入る。
つくづく自分の運命を呪いたいよ。
じいちゃん、どうしたらいいのーーー?
自宅に戻る間中、そんなことを考えていた。
「あら、おかえりなさい」
母が出迎えてくれた。
何かある時は、こうして母は玄関まで出迎えてくれる。
昔からの習慣。
「ただいま。ねえ、今日って何着て行けばいいんだろうね」
「そうねぇ、まあ桜田門家に行くんだし、スーツとかの正装はしていった方がいいのかもよ」
「正装ねぇ・・・」
そんなもん、持ってないし。
とりあえず、この前の入学式の時に着たピンクのスーツでいっか。
私は自分の部屋へ行き、支度を始めた。
「ただいま」
珍しく父まで帰って来た。
こんな明るい時間に帰宅するなんて、滅多にないこと。
「あら、早かったのね」
母が出迎えている声が、下から聞こえる。
私は、あまり気にせず、自身の支度に集中した。
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