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読みかけだった日記から知った自分の出生の真実。
祥子が母親じゃないという予感が確実になったことについては、さほど驚きもしなかった。
父親の名前を知り、涼子の死に勘づき、祖父母や伯父の存在を日記から知ることになるのは予想外だった。
祥子が居なくなった理由のヒントは、その日記の中に隠されているような気がしてならなかった。
(そうだ。墓だ……)
爽介は思い立つ。
あの都会の喧騒から隔離されたような小さな寺は、前のマンションの近くにあった。
住職ならば何かしっているかもしれない。そう感じた。
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