国境無き世界 上部外套

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   少し前  ペン家 10階 1001号室  サイレンがまだ鳴り止まぬジェルトの部屋では。 シルバ「うん。 ジェルトさんも…寝てるだけ。」 机の上で崩れる様な体勢のジェルトの脈を確認したシルバ。 それを聞き、皆も安堵の溜め息を漏らした。 ルーイ「ふぅ…。 マジで焦ったな。」 リーゼ「本当。 最初は死んでるかと思って焦ったわね。」 ミリア「リーゼ先輩! 縁起でも無い事言わないで下さいよ!」 リーゼ「あ、ごめんなさい。」 マルス「じゃあ取り敢えずこいつを降ろすぞ。」 マルスは肩にぶら提げてたロジャーをベッドに寝かす。 シルバ「見て…。 ジェルトさんのここ…。」 首筋に触れながらその場所を中指で差す。 其処には赤い斑点、出血の痕跡。 皆の視線が集まる。 マルス「何なんだそれは?」 シルバ「注射の…跡…っぽい。」 ミリア「じゃあロジャー先輩と同じですね。」 リーゼ「いえ、違うわね。 ロジャーに刺さってる物は抜かれて無いのに、ジェルトさんの方は抜かれてる。 わざわざ抜く必要が有ったって事は、全く異なる物を刺されたって事よ。」 シルバ「うん。 多分…リーゼの言う通り。」 ミリア「なるほど。」 マルス「シルバ、ロジャーの刺さってる物を抜いてくれないか?」 シルバ「うん。」
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