国境無き世界 地殻

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アーサー「神童の遺産…か。」 驚きはしなかった。 寧(むし)ろそれで納得出来た。 レオン「神童の遺産。 その場所を聞き出す為に、俺達が遣わされた。 俺達は臓器を取られ、番号を取られ、死んだ事にされた獣人。 俺達は臓器を取られ、義臓を埋め込まれ、造られた獣人兵器。 だから俺達は闇の仕事をする。」 リーゼ「ぎ…義臓ッ!?」 シルバ「ねーねーの…義臓!?」 レオン「お前の姉さんは、獣人を救う為に義臓を造った…。 だが、義臓は兵器利用された。 そして今尚、彼女自身も利用されてる。」 シルバ「今尚…。 じゃあ!ねーねーはッ!?」 レオン「生きてる。 俺達の整備を行う者としてな。」 シルバ「!!?」 『科学技術は、科学者達の意図せぬ武器や兵器の副産物を生む。』 レオンの言葉の意味をアーサーは理解した。 レオン「…シルバ。」 シルバ「は…はい。」 レオン「俺は、お前にこれを渡さなければ成らない。 お前の姉さんから預かった物だ。」 懐に手を入れ、封筒を取り出す。 レオン「アーサー、取りに来い。 これを彼女に渡せ。」 皆に警戒されてるのを理解し、剣を交えた者、騎士道を歩む者になら信用されると思ったのだろう。 アーサーもレオンは卑怯な事はしないと信じ、進み出た。
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