国境無き世界 地表

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   ルーイは走る。 竜宮城に向かって闇夜を走る。 ルーイ「はぁ…ひぃ…ふぅ…。 だぁぁあーッ! 這った方が100倍速いわ!」 確かにその通りなのだが… ルーイ「でもボディーアーム脱いだら海月の運転が出来無いんじゃややああーーいッ!」 なので仕方無く走る。 竜宮城の前に差し掛かった時、その足をピタリと止めた。 ルーイ「…ん?」 耳にシュウシュウと風の音が聞こえた。 それは聞き慣れた音。 ルーイ「海月…か?」 暗い空を見渡すが何も見えない。 目を閉じる。 そして第三の眼を開く。 改めて空を見渡すと、西の空に熱源を見付けた。 その形は矢張り海月だった。 ルーイは電子手帳を広げる。 ルーイ「ルーイだ。 誰か聞こえるか?」 「はい。聞こえます。」 警備部に直接連絡をする。 男性が応答した。 ルーイ「今竜宮城の前に居るんだけど、誰かが海月を使ってるみたいだ。 誰が使用中なのか確認してくれないか?」 「直ぐに確認しますのでこのままで少々お待ち下さい。」 折り返しの連絡を待つ間に、ルーイは竜宮城の回転扉を開けて中へと入る。 暗いロビーを走ると自分の足音だけが反響する。 エレベーター前に着くとボタンを押し、扉が開くと直ぐに乗り込んで屋上を指定する。
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