転入

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「ねぇ、あき。私、今日すごい噂聞いてきちゃったの」 「へぇ。どんな噂?」 学食にあるテラスで、昼食後の紅茶を飲んでいる時だった。 噂が大好きな割には、周りの目を気にして一回り小さな声で話す沢口加奈 同じクラスで、成績も上位にいつもいるような子なのにユーモアたっぷりな彼女 また芸能人で誰と誰がデキてる、というような類いの話かと思いながら あきは慣れたように相づちをうつ 「都市新西高校って知ってる?」 「まぁ、名前くらいは聞いた事はある…かな」 あきの反応に、加奈は目を輝かせながらも更に声を小さくしてこう言った 「あそこ、相当ヤバいらしいの あのね…校内で生徒同士が派閥があるんだって。教師までが反抗出来ないほどひどいって話よ」 「ふぅん…派閥ってどんな?」 「それぞれ青派と赤派に別れてるみたい。で、統括するリーダーもいるらしいの なんかその幹部もいるって聞いたような……まぁそのリーダー達がすごくヤバいらしくて!誰も逆らえない…だとか? でもそれ以上は、ヤクザがいるとかオカマがいるとか?……とにかく噂が噂を作ってる感じなのよ」 らしい、とか語尾に?がついたり それ本当?と思うような感じだけど 「おもしろそーじゃん」 「え?何か言った?」 「うぅん」 この噂を聞いたのが、始まり
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