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オ兄サン、イイ仕事ニツイタネ!
半ば強引に片言を話すアジア系の男に腕を引っ張られ僕はビルの中に引きずられた――
オ兄サン今日ハ建国記念日ニナルヨ!―
そうアジア系独特の訛りを発して男はにやにやしながらエレベーターのボタンを押した――
二人はしばらくエレベーター前で佇む会話もなくただエレベーターの到着を待つその時間は少年にとって―
長く感じる時間だ…本当に断らなくても大丈夫だよな?―と心配になり男の背中を見た。
どこにいても浸透するような細い目と肌の色はアジア系の中国や韓国人はたまた日本人にもいそうな顔で一見見分けがつかない――
身長はというと180㎝くらいで、体型は中肉中背で雰囲気は留学生にも見えなくない明るい―
チンとエレベーターの到着ベル が鳴るとアジア系の男は細い腕で金網を開けた、「サアー入ルネー」と進める動作はホテルのドアボーイのようでいた丁寧さだった 逆にこの丁寧さが怖い部分であったのだが、いまさら顔に出すわけにもいかない…あからさまに顔に出して断ったらどうなるかはだいたいは想像がつくからだ――
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