第四十一層

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俺は最後と思われるキメラを切り倒した後、ウィンドウを開き、パーティー設定がしてあるティータやハイデのライフバーを確認する ライフバーは俺を含めて最大値よりわずかに減少したところで止まっていた 上層部に当たるこの街にいるプレイヤーの大半は、おそらく同じくらいのライフで残っているだろう ライフバーを確認し終えるとティータとハイデが駆け寄ってきた 「まあ、今回は楽勝だったわね」 ティータが当然そうにそう言うと俺達も同意する おそらくこの戦いに参加していた全プレイヤーがそう思っていたであろう しかし、戦いは終わってはいなかった 「あれを見ろ!」 突然誰かの声が響いた とっさに辺りを見回し、全員が視線を向けている方向へ目をやる そこで俺が見たものは キメラだった しかしデカい 先ほどまでに戦っていたキメラの何十倍もあるであろう とてつもなく巨大なキメラだった すぐにウィンドウに視線を戻して、情報を確認する 終わりかけだったであろう、WRANINGの警告が消え、モンスター名『ラージキメラ』とそのライフバーが表示される 誰かが“サーチ魔法”をつかったのであろうか、次にパラメータが表示される 比較的、重要なパラメータを確認すると、HPバー(ライフ)のところが50000で、ATK(攻撃力)のところが1200となっていた この数値は比較的高い位置に値するわけで、ちなみに俺のHPは7000でATKは800だ 自慢するわけではないが、俺やティータとハイデ、そして周りにいるプレイヤーはおそらく高レベルのプレイヤーなのである ステータスを確認し終えると、ウィンドウを閉じ、両腰の剣を再び抜剣した 俺の隣では、ティータ………いや、ティータを含む魔術師達が既に魔法の詠唱を始めていた
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