第四十一層

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「敵襲!」 緊急時の鐘とNPCの声が響く中、俺達は戦い方について話しあっていた 「だからティータが束縛魔法をつかって、敵が止まってる間に俺が斬ればいいだろ!」 「スライトが足止めをしてる間に私が上級魔法で攻撃したほうがいいの!」 「まぁまぁ、とりあえず街を守ろよ………」 「「ハイデは黙ってて!!」」 今だけ息が合った俺とティータはハイデを黙らせる たった今この街では、ゲームのイベントの一つである“モンスターの襲撃”が始まってあるのである このイベントのメリットは、街の防衛に成功すれば報酬金が貰えるのである。 逆にデメリットというと街が陥落してしまえば、ログポイントや店などが消えてしまうので他の街に移動せざるをえないのである 「突撃!」 そして既に襲撃は始まっていて、周りのプレイヤーは戦闘を開始していた 「とりあえず今回はお互い援護しながら戦おうよ…」 ハイデがそう言うと仕方なく俺とティータは頷く 俺達が了承したのを確認すると、ハイデは腕に装着している小型機器のパネルを操作して、“アイオロスの弓”を装備する 続けて同じ操作をして、俺は“流剣”と“滅剣”を、ティータは“メテウォール”を装備する 「いくぞ!」 俺達はモンスターの集団をめがけて突進した 見えたきたモンスターの集団は、ライオンに翼をはやしたようなモンスター、キメラだった 俺は走り続けたまま、技を発動させるために手を交差させて両腰の剣の柄を握る そして 「抜剣十文字!!」 声が辺りに響いた瞬間、スライトが握っていた剣が×の字に交差され、NPCに襲いかかろとしていたキメラが瞬く間に四等分され、淡い光となって消えていった 今、俺が発動した技は片手剣スキルの“抜剣波”だ 実を言うと、このゲームには双剣というスキルは存在しない ただ剣を両手に持ち、同じ技を左右同時に発動したり、相性の良い技を組み合わせることによって双剣となるのだ 俺は鍛冶屋と思われる服装をしたNPCを逃がした後、さらに他のキメラへと切りかかっていった……… 戦闘は1時間にも及んだ 元々キメラは能力が低い上に攻撃パターンが少ないのだが相当な数だったので時間がかかってしまったのだ
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