彼の優しさ

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「そんな……。」 マユは唖然とした。 自分たちは、これから食べ物も買わなければならない。 所持金は8000ゼニー程度しか持っていない。 そのまま5000ゼニー出したら、残りが3000ゼニーになり、食べ物が買えなくなる可能性がある。 「どうします?総帥…。」 「どうしろと言われてもな…。」 二人は考え込んでしまった。 「あの、ハルカ様?マユ様?」 店主は声を掛けた。 「マユ。」 「何ですか?」 ハルカに言われ、マユは耳を傾けた。 「値段をまけるために、一つだけ方法がある…。聞いてくれないか?」 「?はい…。」 マユの返事を聞き、ハルカはマユの耳元で囁いた。 ハルカの方法を聞いた途端、マユの顔は赤くなった。 「そ、そんなこと出来るわけないでしょう!それに、あたしはそんなにスタイルよくないです!」 「やってみんと分からんだろう?それに、これは命令だ。逆らうことは許さん。」 「うっ…。分かりました。」 マユは決心し、店主に訊ねた。 「あの…。」 「何ですか?」 「そのお値段、あたし達には少し高いみたいなんです…。まけていただけませんか?」 マユはそう言うが、店主はそう簡単にはひかない。 「そう言われましても、うちも商売してますんで…。いくら軍人でもまけるわけには…。」 「そうですか…。これでもダメですか?」 マユは行動に出た。
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