761人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、その後に記載された文字に気付くと、俺はそこから目を離せなくなってしまった。
『印字ミスか?いや、そんなことがあるはずが…。』
俺は本を閉じて顔を上げると、脇に抱えながら慌ててトイレを飛び出す。
『たしかあの部屋にもあったはずだ。』
先程見た紗香の病室の光景を頭の中で確認しながら、必死に廊下を駆け抜ける。
直線を突っ切り、曲がり角に差し掛かると、あの大量の血が視界に入ってきたが、今はそれどころではなかった。
その横をすり抜け、勢いよく病室の扉を開くと、そのままベッド脇に設置されたテーブルへと走る。
…やはり目的の物はそこに置かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!