積死 -tsumiSHI-

rebirth ～幻影～

『俺の考えは根本的に間違っていた。本の中で文字が勝手に動き、積死の成功者の人数を変えることなどあるはずがないんだ。つまり、これは俺が本屋で見つけた物とは全くの別物。あの男が持っていた第2版だ。刊行日が今日というのは気味が悪いが、そう考えれば辻褄が合う。紗香が蘇ったために、生存者は2人に改訂されたことになるのだから。だが…。』

そこまで言うと、俺は最後のページを閉じ、代わりに積死のページを開いた。

一応は納得のいく結論に到達したわけだが、その結論を肯定すると、新たな歪みが生じてしまう。

それが分かっているだけに、俺は確かめずにはいられなかった。

『…ここだ。』

問題の箇所に行き着くと、俺は目を凝らし、ゆっくりと文字を吸収していく。