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本を手に取り、ぎゅっと握り締める。
もう戸惑う必要はなかった。
自分がここに存在していることも、心臓の鼓動を感じないことも、最後の文章だけが変わっていなかったことも、全てが自然なことだった。
『闇が…来る。』
再び目を瞑ると、俺は胸の前で手を組み、思考回路を遮断する。
あとは待つだけだった。
羊水に浮かぶ赤子のように、その瞬間を待ち続ける。
…。
…カチッ。
時計の針が0時を回った。
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