epilogue ~永遠~

6/55
前へ
/654ページ
次へ
そう言って遠くを見つめる男の目に、微かに悲哀の色が浮かんだ。 …。 しかし、それも瞬きほどのほんの一瞬のこと。 青年がその変化に気付くことはなかった。 『…さて、世間話はこれぐらいにしておこう。申し訳ないが、この後に予定が入っていてね。そろそろ…。』 男が退席を促そうとするのを見て、青年は慌てて引き留める。 『待ってください!先生は現実主義でありながら、新たな可能性についても、常に探求していた方だと聞きました。それが常識を逸脱した可能性であったとしても…。そうだ!ここに先生が学会で使用したという論文があります。これを見てもらえば…。』
/654ページ

最初のコメントを投稿しよう!

761人が本棚に入れています
本棚に追加