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テーブルの上に無造作に置かれた本に気付き、合点がいったとばかりに、思わず声を洩らす。
『また居座られても面倒だからな。さっさと渡して、すぐに帰ってもらうか。』
男は面倒臭そうに本を手に取ると、よたよたと扉へと向かった。
ガチャ。
扉を開いて周囲を見渡す。
…。
『いない…な。』
念入りに確認したが、そこには誰の姿も見当たらなかった。
『おかしいな。気のせいか?』
ブツブツと文句を言いながら扉を閉める。
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