epilogue ~永遠~

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しかし、男の願いも空しく、ソレは相変わらずの湿った音を伴って、ゆっくりと動き始めた。 …ぬちゃ。 …ぬちゃ。 隣の部屋のあちこちから音が聞こえてくる。 どうやら男を探し回っているようだった。 『…。』 息を殺して様子を窺う。 1分…2分…3分…。 音が鳴り止む気配はなかった。 襖を隔てた隣の部屋にソレがいると想像するだけで、男は微動だにできない。
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