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いや、この窓に限ったことではない。
自分の居場所を知られたくない一心で、部屋に設置された窓や扉には全て鍵を掛け、外部へと繋がる経路という経路は、完全に遮断していた。
そのため、先程の青年にしても、入念なチェックを行った上で招き入れた、いわばこの部屋の初めての客人とも言える存在だった。
もちろん、一旦は断ったのだが、彼があまりにもしつこく食い下がるため、騒ぎになって目立っても困ると、渋々入室を許可したわけだが。
…カサカサカサ。
窓を見つめながら逃げ出すタイミングを計っていると、突然、後頭部の付近から乾いた音が聞こえ、男の思考が停止する。
…。
…何の音だ?
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