epilogue ~永遠~

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脳に急激な痛みが走り、男は思わず声を洩らした。 目からはダラダラと血の涙が流れ出し、口からは白い泡が吹き出ている。 既に意識は遥か彼方へと遠のき、ソレの姿を認識することも能わなかった。 …ガクッ。 両足の力が抜け、男は膝から崩れ落ちる。 最期の瞬間はすぐそこまで迫っていた。 『く…くそっ。うまく逃げ隠れたと…思っていたんだがな。まさか…ここまで追って…くるとは。』 最期の力を振り絞り、途切れ途切れに語りかける。 男の脳裏には、数ヵ月前の記憶が蘇っていた。
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