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「隊員の命と地球、どっちが大切なんだ?」
今まで黙っていた大地が静かに口を開いた。
「そんなの選べるはずがない。
生きとし生けるものみな平等に生きる権利はある。
君達は痛いくらいわかるであろう。
野暮な質問は寄せ」
大地の質問に火野は困ったような表情を見せた。
「火野司令官の答えはわかってたさ。
命の重さを比べるなんてご法度だ。
命って奴は失ったら二度と戻ってこないんだ」
そう言って大地はグッと握り拳を作った。
「僕達の星は僕達が守る。
だから僕は……。
何が何でもトップグランドに行く。
花音ちゃんには悪いけどな」
雷の中で決心が出来たようだ。
凛とした顔で雷は言う。
「同感だな。
俺もトップグランドに行く。
その為には花音の力が必要なんだよ。
頼む。
居場所を教えてくれないか?」
雷の意見にコクリト頷きジッと花音を見つめ大地は花音に頼み込む。
「……父はこの組織から逃げ、アンダーグランドの人間を極端に避けてる。
会えるかどうかわからないわ」
花音はまるで父に会ってほしくないような言い方をする。
「会えるかわからないって……折角見いだせた可能性だったのにどうしたらいいんだ……」
頭を抱え、雷は肩を落とした。
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