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「花音ちゃん、お願いだ……」
雷も大地に続いて頭を下げる。
「この二人もこう言ってる。
花音、李音博士の居場所を教えてくれ。
頼む」
二人に続き、火野も深々と頭を下げた。
「みなさん、どうか頭を上げて下さい。
みなさんの気持ちわかりましたから……」
火野までもが自分に頭を下げているのを見て、花音は根負けした。
一同は花音の言葉を聞き、頭を上げた。
「花音、無理を言ってすまない」
花音が話したくない理由を知る火野は、申し訳なさそうに言う。
「地球の為です。
ちょっと待って下さい。
地図を書きます」
そう言うと花音は部屋から出て行った。
暫くして、休憩室に保管してあった半紙と筆記具を持ってきて地図を書きはじめた。
「(前から疑問に思ってたが、李音博士が出ていった時、花音は何でここに残ったんだ?
誰もこの話題に触れないという事は、聞いてはいけないという事なんだろうな……)」
見慣れない地形の地図をぱっぱと書き上げていく花音の姿を見ながら、大地は色々と考えていた。
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