25人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
「くぅ~。
花音ちゃんの入れてくれるお茶は宇宙一だな~」
お茶を一気に飲み干した雷はぷは~と息を吐いた。
「やっだぁ~。
雷くんったら~」
顔に手をあて、花音はクネクネと体を動かし照れた。
「キモス」
雷と花音の言動を見て、大地は白けている。
「何か?」
ノリの悪い大地に雷はジトーッと視線を送った。
「何でもないさ」
お茶を啜りながら、大地は表情を変えない。
「手厳しいな、大地くんは」
花音は苦笑いして頭をかいた。
「……正確に言うと、『手厳しい』じゃなくて『ピリピリ』してるだけさ」
ふざけていた雷は真面目な顔をして言う。
「入り込んだ仕事が多いからな」
大地は気難し顔をした。
「確かに。
最近、治安も悪い。
一般犯罪も時空犯罪も多発している」
三人の会話を割いて一人の男が現れた。
男の名は火野 熱志(ひの あつし)。
髭を蓄え、黒く短い髪はきっちり整えられてる。
がっしりとしたムキムキの体型に力強い目で見られたら皆、畏怖してしまう。
だけど、どこか頼りたくなるオーラを醸し出してる。
「火野司令官!」
火野の登場に三人に緊張が走る。
そして、三人は火野に敬礼した。
最初のコメントを投稿しよう!