序章。

5/20
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
「まぁまぁ、今はリラックスしててくれ」 もじゃもじゃのヒゲを火野は愛しそうに触りながら言う。 「リラックス……」 雷は『こんな時にリラックスできないさ、ヒゲもじゃ!』と言いたいのを心の中にそっとしまった。 「火野司令官、最近治安が悪化しすぎです。 ほぼ毎日隊員総出動してます。 どうにか対策を考えていくべきではないでしょうか」 冷静沈着な大地は、火野を刺激しない程度に抗議する。 「……確かに犯罪が増加してるのも事実だな」 表情には出てないが、大地の抗議に火野は少したじろいだ。 「アンダーグランドの為とはいえ、隊員総出動だと隊員にかかる負担が大きすぎます。 隊員の負担が大きいという事はその分疲労も蓄積され、効率が悪くなってます。 悪循環です」 冷静を装ってるように見えるが、いつもより大地は熱くなっていた。 「(大地がここまで言うなんて珍しい)」 いつもと様子の違う大地を雷はジッと見つめる。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!