25人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
「(幾つもの事柄を同時に考える事のできるマルチタスキング能力。
普段は使いたがらないのに今日はどうしちゃったのかしら)」
花音はお茶をのせて運んできたレトロなトレイをぎゅっと抱きしめ、不安げな顔をしている。
「大地、何かあったのか?
いつも冷静沈着な大地にしてはやたら食いついてくるな」
大地の様子を伺っていた火野は口を開いた。
「何か……。
何か胸騒ぎがするんです」
強い眼差しで大地は火野を見た。
「縁起でもない事を言わないでくれ」
困惑した火野はボリボリと頭をかいた。
「そうだよ、何かあったら僕達が活動してるのも無意味になっちゃうじゃんか」
雷はぷうっとほっぺを膨らませた。
「平和が一番ですよ~」
ニコニコしながら花音は言う。
ドカーン!!
三人が会話してると爆音が鳴り響いた。
「縁起でもない事、キターッ!!」
突然の出来事に、雷はテンパってる。
「『キターッ!!』じゃないぞ、雷」
冷静に大地は突っ込みを入れる。
「……マジで勘弁してくれ」
この状況に火野は頭を抱える。
最初のコメントを投稿しよう!