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「……まだ息がある。
花音、救護に回ってくれ。
大地、雷はこのまま一緒に施設内を回るぞ」
倒れている隊員に一人一人に近づき息がある事を確認し、火野はそれぞれに指示をだした。
「はい」
手を顔から外し、花音は失神しそうなのをグッと堪えた。
「了解」
雷は火野に敬礼する。
「御意。
……やった奴、絶対許さない」
火野に敬礼しながらも珍しく大地は怒っている。
「(さすがの大地も怒りが押さえれないようだな)」
大地の顔色がいつもと違い、火野は益々危機感を覚えた。
「火野司令官!
怪しい奴何処にもいないですよ!」
施設内をくまなく探した雷は大声で言う。
「……恐らく逃走したんだな」
犯人に逃げられ火野は肩を落とした。
「何が目的で……。
クソッ!!」
雷は悔しそうに握り拳をつくった。
「……目的はこれだな」
大地は見るも無残に破壊された鉄壁にかる扉を指差した。
「ここに保管されてた七色の石が消えてる!?」
扉の奥を確認した雷は、驚きを隠せない。
「厳重な警戒をくぐりぬけ、まさかこれに手を出すとはな……」
屈んで扉の破片に触れながら大地は言う。
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